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石鹸や洗剤の有害性に関して

洗剤には脱水作用、角質変性作用、洗浄作用などがある。
洗剤には、まず水分を吸収する力が存在する。皮膚表面の角質層は洗剤によって水分を失い、乾燥してもろくなり、肌荒れを生ずるに至る。神経が刺激され、かゆみが起こってくる。

洗剤はタンパク質でできている角質を変化させるため、皮膚の表面は酸性でなくなり、抵抗力を失わせる結果になる。そうなると、外界の微生物や細菌や水虫などが皮膚の表面で繁殖しやすくなり、水疱を形成したり、化膿したり、あるいはかさぶたをつくったりするようになる。

洗剤は、また、本来の目的である洗浄作用によって、皮膚表面の脂肪をきれいにとり除いてしまう。さえぎるものは何ひとつなくなった皮膚の表面は外界にさらされて、有害な物質や病原体などあらゆる物質がそこに開いている多数の小孔から内部へ浸入するようになる。

そのような状態になるといろいろな原因による接触性皮膚炎が合併している。アレルギー性接触性皮膚炎は体内で抗体を生産しなければならないが、このような場合にはたいていの物質は抗原となり、その場でただちに抗体をつくり、反応を起こしやすくする。つまり、洗剤で洗った皮膚は、たとえ洗剤でかぶれなくても、ほかの物質にかぶれやすくなると考えられる。

現在、石鹸や洗剤により皮膚が受ける影響は大別して次の5項に要約される。


1.石鹸や洗剤のアルカリがケラチンを変化させる。
2.石鹸や洗剤からの脂肪酸が皮膚炎を刺激して、中毒性皮膚炎を起こす。
3.石鹸や洗剤は皮膚表面に付着する皮脂を除去してしまうため酸性が保てなくなる。
4.石鹸や洗剤の強いアルカリにより皮膚の化学的緩衝能力が失われる。
5.アミノ酸が除去され、角質層の防水作用が失われる。


わきの下や陰部、ひじ・ひざの内部などはpHの高いところであるためかぶれやすくまた指環の下などは石鹸や洗剤の成分がたまって、原因物質を長時間作用させるため気をつけなければならない。

高級な外国産の香料などが混ざっているものでは、抗原になりやすいので、アレルギー体質の人はとくに気をつけなければならない。同時に発生する鼻炎が反応性を亢進し、皮膚合併症を誘発する。

一般には匂いのない石鹸は抗原性がないといわれており、最近、しばしば「無臭石鹸」として売り出されているはいるが、これは匂いを除去するための脂肪臭除去の香料が含有していることを忘れてはならない。

その他、抗原性があると考えられるものには、ラノリン、香料、消毒剤、制汗剤、染料、ビタミンなどいろいろある。ひところは蛍光物質が問題になったこともある。


以上、『みんなで考える洗剤の科学』 研成社    井上勝也篇より
洗剤と石鹸のが肌に及ぼす影響に関する抜粋
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